第1章 イスラームの真実の証し
神は数多くの奇跡や証拠をもって、預言者ムハンマドが神から遣わされた真実かつ最後の預言者であることを示した。また同様に神は最後の啓典である聖クルアーンについても数多くの奇跡をもって、それが神によって啓示された言葉であり、決して人間が書いたものではないことを証明した。本章ではその証しについて取り上げる。
神の言葉クルアーンは、天使ジブリール(ガブリエル)を通じて預言者ムハンマドに啓示された 。聖クルアーンムハンマドはそれを口頭暗記した後、教友たちに伝えた。そして今度は彼らがそれを暗記し書面に残し、ムハンマドの前でその正誤の確認をした。更にムハンマドは毎年一度天使ジブリールの前でクルアーンを復唱し、彼が亡くなる年にはそれを2度繰り返している。クルアーンが啓示されてから現在に至るまでいつの時代にも、クルアーンを一字一句抜かすことなく全暗記した数あまたのムスリムが存在していた。その中には10歳に満たずしてクルアーンを全暗記した者たちすらいる。クルアーンは何世紀にも渡って一字たりとも改変されてはいないのだ。
クルアーンは1400年前に啓示された。にも関わらず、そこには近年になって初めて科学者によって発見され証明された事実が記述されている。この事は紛れもなく、クルアーンが神によって預言者ムハンマドに啓示された神の言葉であり、ムハンマド自身や他の人間によって創作されたものでないことを証明している。そしてまたそれは、預言者ムハンマドが神から遣わされた真の預言者であることの証明でもある。1400年も前に生きた人が、近年になって初めて精密機械や高度な科学的手段によって発見され証明された事実を知りえたとは到底信じがたいのである。そのいくつかの科学的事実について考察していこう 。